山に行けない日が続いていますが、山の道具のうんちくを語りたいと思います。
初回の今回はピッケル。
日本を代表する工業デザイナー柳宗理が残したエッセイという本にアノニマスデザインという言葉が出てきます。そのなかで特筆すべきデザイン例としてピッケルがあげられています。
柳宗理、曰く
使い勝手の良し悪しは、直接クライマーの命にかかわりますから、無駄なものは一切省き機能的にぎりぎりの形にまで追求されております。したがってデザイナーの美意識等介入する余地は一切ないわけで、厳然とした形をしているわけです。正にこれこそが純粋なアノニマスデザインといえるでしょう。又、澄み切った最高の民藝精神に到達したともいえるでしょう。
冬山に登るとき、ピッケルを振り回すなかで、このピッケルに命を預けると思うとき、こんな言葉も思い出すとイイのかもしれない。
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